导言:近日《日本经济新闻》一篇有关科乐美的新闻引起了很大反响。国内不少媒体转载了该新闻,不过并没有人将新闻全文翻译。在此我尝试将新闻翻译一下,并且补充一些背景材料。科乐美和小岛孰对孰错我不做评判,只希望我们以后可以玩到更多的好游戏。
「あなたは当社の評判を不当におとしめている」――。昨年秋、コナミは一通の書簡を発送した。宛名は小島秀夫。コナミの人気ゲーム「メタルギア」シリーズを開発した世界的なゲームデザイナーだ。2015月12月にコナミを退職し、新会社「コジマプロダクション」を設立していた。
“你对本公司的评论是不合适的”——去年秋天,コナミ(科乐美)给小岛秀夫发了一封函。后者是科乐美的人气游戏《メタルギア》(《合金装备》)系列的开发者。2015年12月小岛秀夫从科乐美离职,创建了新的公司“コジマプロダクション”(Kojima Production)。
コナミが指摘したのは、16年9月18日の出来事だ。この日、小島はゲームイベント「東京ゲームショウ」で、ソニー・インタラクティブエンタテインメントが主催するトークイベントに登壇した。数カ月前にコナミが「開発中」と公表した「メタルギア」最新作について、ファンから「小島さんはあの作品に関わっているのですか」とたずねられ「関わってるわけないじゃないですか」と苦笑交じりに答えた。
科乐美在信中所说的是2016年9月18日发生的一件事。那天,小岛参加了東京ゲームショウ(Tokyo Game Show),并在ソニー・インタラクティブエンタテインメント(Sony Interactive Entertainment)主办的谈话环节登场。有一位粉丝针对前几个月发表的,正在开发中的《合金装备》最新作向小岛提问:“这部作品和小岛先生有关系嘛?”小岛苦笑着回答:“我怎么可能有关系呢,不是嘛?”
最新作は、ゲームファンの間で必ずしも良い前評判ばかりでなく、会場は笑いに包まれた。これがコナミ側の感情を逆なでしたようだ。この発言を理由に、コナミは、小島と退社前に交わした報酬契約の違反があるとして支払いの一部を拒否しているもようだ。両者の話し合いは決裂し、今はほぼ没交渉となっている。コナミ広報は「適切に支払っている」と回答、コジマプロダクションは「ノーコメント」と口をつぐんでいる。
最新作在粉丝之中不可能都是好评,会场爆发出一阵笑声。这件事伤害了科乐美的感情。因为这次发言,科乐美认为小岛秀夫违反了离职合同,拒绝支付一部分薪水。二者决裂,至今没有进行交涉。科乐美方面表示,我们已经正确地支付了小岛的薪水。而Kojima Production表示无可奉告。
小島のイベントでの受け答えが発売前のゲームソフトをおとしめる行為かどうかは分からないが、コナミが綴った文面からは、かつて自社の成長に貢献した功労者との間に、埋めがたい溝ができていることをうかがわせる。
我不知道小岛对于未发售的游戏进行的评论是否会对该游戏产生负面影响。单从科乐美方面给小岛的这封信来看,科乐美,和那些为科乐美的壮大做出贡献的功臣之间,有一条无法填充的鸿沟。
「元コナミ」が引き起こす摩擦はこれにとどまらない。東京都新宿区の「関東ITソフトウェア健康保険組合」。ゲーム会社などのコンテンツ企業やネットサービス会社を対象にした健保で、現在約7000事業所が加入する。加入企業にはディー・エヌ・エー(DeNA)やグリーなどの大手も多い。4月のある日、コジマプロダクションの幹部が同健保への加入申請を提出したところ、申請書の受理さえも断られた。
“前科乐美(员工)”这个头衔引起的争端不仅限于此。东京都新宿区有一个関東ITソフトウェア健康保険組合(关东IT software健康保险联盟)。该联盟主要针对游戏公司,内容提供商和网络服务公司,目前已有约7000家公司加入。联盟成员不乏ディー・エヌ・エー(DeNA)和グリー(Gree)这样的业内巨头。今年4月,Kojima Production的一名管理人员向联盟提交了入会申请,但是申请没有得到受理。
健保への加入は従業員の福利厚生に関わる。「なぜ加入できないのか」と幹部が食い下がると、「うちの組合ではまず理事長に見せてから理事会にかけることになっている。この加入申請は理事長に見せられません」と答えている。
加入保险联盟和员工福利息息相关。“为什么不能加入?”Kojima Production的管理人员尖锐地问道。“我们联盟的流程是,申请书要先提交给理事长,再交给理事会。你们的申请书不能交给理事长看。”保险联盟方面如此回答。
関東ITソフトウェア健保組合の理事長は、コナミ取締役の東尾公彦が務めている。「理事長に見せられない」という返答からは、コナミを飛び出した小島に対する理事長の意向を事務局が「忖度(そんたく)」している状況が浮かび上がる。
关东IT software健康保险联盟的理事长,是科乐美的董事,東尾公彦。联盟秘书处的“不能给理事长看”这样的回答,传达出了理事长对于离开科乐美的小岛的一种倾向。
そもそも健康保険法第22条では、「健康保険組合の業務は、理事の過半数により決し、可否同数のときは、理事長の決するところによる」と定めている。「まず理事長に見せる」というのが本当なら、正規の手続きを逸脱している可能性さえある。厚生労働大臣の認可を受けて設立する健保組合は公益性が高く、個人の都合で加入の可否を決められるものではない。
根据《健康保険法》第22条:“健康保险联盟的业务,理事会半数通过即可决定。在理事会平票的情况下,由理事长决定。”如果先跟理事长打过招呼的话可能就会偏离正规章程。保险联盟是厚生劳动大臣认可的公益性较高的机构,不应该根据个人的想法而决定是否能加入。
この件について同健保組合に取材すると、「その件については何もお答えできない」と返答があった。コジマプロダクションはまだ健保加入ができないままでいる。
关于此事我采访了保险联盟的相关人士,得到了“我不能回答任何关于此事的问题”的回复。截至目前,Kojima Production还没有加入保险联盟。
「元コナミの方なのですが、ご紹介してもよろしいでしょうか」。ある人材紹介エージェントは、コナミの退職者を同業他社に紹介する際に、先方に決まって確認を入れる。コナミOBを採用した同業他社にコナミから苦情が届くからだという。「コナミOBの採用は気をつけろ」。社内にそんなお達しを出す大手ゲーム会社まである。コナミから建設会社に転職した体裁を整えてから同業に移ったケースもあるという。
“我是前科乐美的员工,可以给我介绍一下(工作)吗?” 某位人才招聘专员表示,把科乐美的离职员工介绍给同行业其他公司的时候,必须先进行确认。 因为录用科乐美前员工的其他公司会收到来自科乐美的抱怨。“对于科乐美前员工的录用要慎重。” 甚至有这样指示的著名游戏公司。从科乐美转职到建筑公司后再转回游戏行业的案例也是有的。
「当社の退職者とは取り合わないでください」。あるOBはコナミがテレビ局の社員にそう依頼していたと知って驚いた。別の元経営幹部は独立直後に起業したところ、コナミからの抗議を受けて解散に追い込まれている。OBが公開する経歴に「コナミ出身」「元コナミ」と記すことは認められない。「会社を飛び出した以上、『コナミ』の名前を仕事で利用するのは許されない」。あるOBはそう打ち明ける。
“请不要录用我司的离职人员。”一名科乐美前员工惊讶地得知科乐美曾这样要求一家电视台。一名干部在离职后成立了自己的公司,结果收到了科乐美的抗议,被迫解散公司。科乐美的前员工不允许在简历中提及“来自科乐美”“前科乐美员工”。有位前员工表示:“离开公司后,使用科乐美的名头是不被允许的。”
1990年代に一世を風靡した体感ゲーム、「ダンスダンスレボリューション」の音楽を作曲した前田尚紀、恋愛シミュレーションゲーム「ラブプラス」のプロデューサー、内田明理、同じくイラストレーターの箕星太朗、「遊戯王」などのライセンス獲得で活躍した幹部の花元真一――。ここ数年で多くのデザイナーや作曲家、経営幹部がコナミを去っていった。ゲーム業界は人材の流動性が高く、独立起業や転職は決して珍しくないが、コナミが独特なのは、独立した開発者を敵対視する点だ。
在上世纪九十年代风行的体感游戏《ダンスダンスレボリューション》(《DanceDanceRevolution》)中作曲的前田尚紀,恋爱模拟游戏《ラブプラス》(《loveplus》)的制作人内田明理和作画箕星太朗,帮助科乐美赢得《游戏王》版权的花元真一——这些年有很多设计师,作曲家,管理人员从科乐美离职。游戏业界的流动性很高,独自创业和转职也不少见,科乐美的独特之处是与独立开发者敌对。
もともとコナミは権利意識に敏感な会社ではある。過去にも、セガやナムコなどの同業他社を相手取り、ゲームの特許を巡って幾度も訴訟を起こしてきた。そんなコナミにとって退職者はもちろん、現役社員さえも情報漏洩などのリスク要因に映る。社員がソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)でどんな発言をしているかをチェックする。退職者がメディアの取材に応じれば、大手法律事務所の代理人を通じて内容証明郵便で書状を送りつける。時には訴訟も辞さない強い態度を見せる。
科乐美是一家对于权益十分敏感的公司。曾和业内其他公司如世嘉和南梦宫发生过法律纠纷。如此敏感的科乐美,把离职人员和在职人员都视作潜在的情报泄露途径。他们会监控社员的社交网络。有离职人员在采访中称,有时科乐美会通过著名律师事务所向员工发函,表现出宁可起诉也不让员工离职的强硬态度。
足元の業績は好調で、18年3月期の連結営業利益は400億円と過去最高を更新する見通し。屋台骨となっているのは、かつての家庭用や業務用ゲーム機向けソフトではない。主力であるゲーム事業の利益の大半をスマホで稼ぐ構造が定着してきた。
目前科乐美的业绩良好。预计到18年3月财年结束,营业利润将达到历史新高的400亿日元。成为科乐美产业的核心不再是曾经的家用游戏和街机。科乐美游戏事业部门的主要利润来自智能手机游戏。
スクウェア・エニックスやカプコンなど同業他社と比べても、コナミのスマホ戦略は順調だ。「実況パワフルプロ野球」など大判のテレビ画面で遊ぶゲームを、5~6インチのタッチパネルに巧みに最適化して投入する開発力は業界関係者も舌を巻く。人気漫画「遊戯王」のカードゲームをテーマにした「デュエルリンクス」は海外でも好調だ。
即使与史埃和卡普空这样的业内巨头相比,科乐美的智能手机游戏策略也是非常成功的。如《実況パワフルプロ野球》所展现出的让电视游戏在5-6吋的平板上也能玩得很流畅的开发能力让业内震惊。人气漫画《游戏王》的卡牌游戏《Duellinks》在海外也受到了好评。
半面、小島や他のクリエーターらがもり立て、コナミの中興を支えてきた家庭用や業務用の存在感は薄い。経営層からみると、高給取りの人気クリエーターを抱え、高精細な映像をじっくりと細部まで作り込む家庭用は投資対効果の悪い金食い虫に見えるのかもしれない。ただ、これまでの遺産をスマホで再利用する戦法だけではいずれ限界は見えてくる。
另一方面,小岛和其他创作者一直支持的,曾让科乐美中兴的家用游戏和街机的存在感变低。从经营层来看,保有高薪的人气创作者,细致地制作高清家用游戏的行为,让投资效果变差。 但是,曾经的(家用游戏和街机)遗产在手机上再利用这种战略迟早有一天要到达界限。
コナミの創業者、上月景正会長(76)は、1973年に大阪府豊中市でコナミ工業を起業し、日本を代表するエンターテインメント企業に育てた立志伝中の実業家だ。日本にゲーム産業を興した経営者の一人でもある。
科乐美的创立者,上月景正会长(76岁),1973年在大阪府豊中市成立了科乐美工业,也就是日后日本电子娱乐产业的代表公司科乐美。他本人也是振兴了日本游戏产业的企业家之一。
「警戒心が非常に強い」とコナミ関係者は話す。上月拓也社長(46)は次男で、親子2人で代表権をもつ。株主構成を見ても、上位10位の大株主に、上月財団やコウヅキホールディングスなど一族の資産管理会社・団体が名を連ね、合計で発行済み株式の25%以上を握る。中小企業時代から尽くしてきた古参社員ほど忠誠心が高いという。離反者と見なした社員に対しては法的措置も辞さない強い姿勢を示す一方、信頼を置く身内で周囲を固める傾向がある。
“他警戒心很强。”一位科乐美相关人士说。上月拓也社长(46岁)是上月景正会长的次子,父子两人代表了科乐美公司。在科乐美前十位的大股东中,上月财团,KOUTSUKI HOLDINGS等上月家族相关的资本管理公司和团体占了科乐美25%以上的股权。经历过科乐美中小企业时代的老员工有着很高的忠诚度。科乐美对于离职员工展现极其强硬的姿态,而对于内部采取维持忠诚度的做法。
本来なら、業界に散らばる「卒業生」も、ゲーム会社が誇るべき資産だ。最近ではパナソニックが、同社を退職して日本マイクロソフト会長などを歴任した樋口泰行氏を再び専務役員に迎え入れた人事は話題になった。ゲーム業界にも、退職したクリエーターと協業して新作を作り上げたり、退職者にゲーム作品の権利をライセンス供与したりといった取り組みは数多い。
从原公司辞职跳槽的“毕业生”也成为了那些公司可以吹嘘的资本。最近,松下把以前从松下跳槽到日本微软当会长的樋口泰行再次聘用为专务的事情成为了话题。游戏界也是,和辞职的设计者合作发表新作,给辞职者游戏作品授权的做法也很多。
ゲーム業界が健全に成長するには、才能ある人材を引き寄せ、ヒットを生み出し続ける好循環が不可欠だ。コナミの極端な内向き志向は、それと反比例する遠心力で人材を突き放しているように見える。かつて「KONAMI」はおもちゃ箱のように面白いゲームが次々と飛び出す憧れの会社だったのだが。
游戏界的健康成长,离不开一个可以吸引人才并持续产生佳作的循环。科乐美极端向内部集中的做法反而产生了一种让人才出走的离心力,即使科乐美曾是一家吓人箱一样不断给我们带来有趣游戏的公司。
東尾公彦是コナミホールディングス株式会社 (KONAMI HOLDINGS CORPORATION)的取締役,通俗来说就是一个大集团中股份公司的董事。
前田尚紀 :前田尚紀在科乐美任职期间,参与了11款音乐游戏的制作,身份从作曲家到制作人。2012年前田尚紀从科乐美离职,加入卡普空,担任卡普空的音游《CROSS×BEATS》的总制作人。
内田明理 :在科乐美从码农做起,后来作为核心参与制作了《心跳回忆GS》和《Loveplus》。在Yuke's制作,科乐美发行的《RUMBLE ROSES》系列中,内田明理担任总制作人。2015年3月15日内田明理从科乐美离职,加入Yuke's。
箕星太朗 :在科乐美期间担任多部作品的人设和作画。当时他的笔名是“三野太郎”,同时他也是著名的漫画家,连载过多部作品,其中有两部动画化。2015年2月从科乐美离职,成为自由职业者,参与了一些PS4游戏的人设工作。
花元眞一 :2013年和小岛秀夫同为科乐美デジタルエンタテインメント事业部执行委员会上席执行委员,兼任シニアコンテンツオフィサー(Senior Content Officer),2014年升任科乐美本社四事業本部副本部長。2015年离职,加入著名手游公司Mobcast,在业内引起振荡,原因是花元眞一同Mobcast签署了一份新形式的劳动合同,这份劳动合同参考国外经验,将花元眞一的报酬和游戏业绩紧密挂钩,他有可能获得极高的奖金报酬。
截至2017年3月,上一财年科乐美的营业利润是364亿日元,参考过去三年的增长率,个人觉得文中对于2018年达到400亿的预测还是保守的。从事业部来看,デジタルエンタテインメント事業部,也就是游戏部门依然是科乐美营业额的大头,而我们“熟知”的小钢珠和赌博机部门,加起来还没有看起来是骗钱的健康事业部多。
上图是科乐美集团的十大股东,和上月家族相关的一般財団法人上月財団,コウヅキホールディング和コウヅキキャピタル株式会社占了29.21%的股权。
和其他日本游戏公司相比,上月家族持股是首屈一指的。卡普空的辻本家族持股也不过14.74%。
科乐美在自己认为正确的道路上前进着,至少股东们是认可这条道路的。小岛秀夫也享受着现在的生活,我也相信《死亡搁浅》会是一款新的神作。
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